ネガティブな退職理由を“前向き”に言い換える方法
「転職理由は何ですか?」は、面接で必ず質問されます。いえ、面接だけではありません。応募先を選んだり、応募書類を書く場合も、「なぜ転職するのか」を意識していないと必要以上に悩んだり迷ったりしがちです。ところが、転職活動をしている人の中には「転職理由」と「退職理由」が同じものだと思っている人も多いのです。今、「えっ、同じじゃないの!?」と思った方は、この機会にぜひ、違いを知っていただきたいと思います。
退職理由と転職理由の違いはここ!
退職理由と転職理由の違いを、整理してみました。大まかに言うと、退職理由は「多少のネガティブ要素を含む過去の話」であり、転職理由は「前向きに働く自分をイメージした未来の話」です。企業の採用担当者も、応募者の退職理由がネガティブだということは分かっています。ネガティブ要素が1%もないなら、転職せずに今の会社にいればよいのですから。それを分かった上で採用担当者が面接の場で確認したいのは転職理由のほうなのです。
退職の切り出し方は「今ちょっとよろしいですか?」
退職の話は個室で“改まった場”を設けて切り出すこと
退職交渉は、交渉相手以外の耳に入らないよう、人のいないところで行うのがマナー。従って、オフィススペースでいきなり退職を切り出すのではなく、「今ちょっといいですか」などと声がけをして、相手とともに会議室等の外に話が漏れない個室へ移動。二人きりで話すことが基本です。
退職話の切り出し方
○「今ちょっとよろしいですか?」「ご相談があるのですが」
すぐに時間を取ってもらえそうな場合に有効な声がけの仕方。退職の話をすることを伝えてはいないので、相手に必要以上の警戒心を持たれずに済む。よほど忙しそうな場合以外はまずこう声を掛け、「ちょっとこちらへ…」と別室に誘導すると良い。
×「今後のことでお話があります」「大切なお話があります」
「退職のお話があります」はもちろん、あまりにも直接的に退職を匂わせるのはNG。相手を身構えさせるばかりでなく、他の社員にあなたが辞めたがっていることが露骨に伝わってしまう可能性がある。
切り出す相手は“直属の上司”
一般的に、退職の意志をまず伝えねばならない相手は、あなたの直属の上司です。
直属の上司がわからない場合は、あなたがふだん報告・連絡・相談を行っている人、この人の指示・命令の下で働いている…という、あなたを管理している相手のことを思い浮かべてみて下さい。会社組織は縦割りのピラミッド式。自分に最も近い職位の上司から段階的に上へと話を上げていってもらいましょう。
上司の理解・協力なくして退職を成功させるのは遠い道のりです。他の管理職や同僚など、直属の上司以外に先に退職の話を伝えて上司のメンツをつぶすことだけは、くれぐれも避けましょう。
直属の上司が人事決済権を持っていない立場の場合は…
但し、主任・リーダークラスが上司にあたる場合は、人事に関する決裁権を持っていない場合があります。その際は、別途その上の課長やマネージャーといった管理職クラスの人に話をすることになりますが、このとき主任・リーダークラスを飛ばして直接相談を持っていって良いかは、会社の組織や雰囲気次第。判断がつかない場合は、面倒でもまずは主任・リーダークラスに話を持ちかけましょう。
小さな会社で直属の上司が居ない場合は社長に直接でOK
従業員数が少ない会社など、自分の上に管理職が存在せず、すぐ社長となる場合は、直接社長に退職話を切り出して構いません。