聞きづらい給与の話、誰に、いつ、どうやって聞くのがスマートか?

転職活動をする上で誰でも気になるのが給与です。しかし、給与は話しづらい・聞きづらいことの最たるもの。面接官に「給与のことしか頭にないのか!?」とは思われたくないし、だからといって「給与はいくらでもいい」とはとても言えません。転職活動の中でスマートに確認する方法をご紹介します。

 

面接官に 「入社後の給与」 を聞いてもいい?

 

では、いきなりですがクイズです。面接で給与のことを知りたい場合、どのタイミングで、誰に、どんな言い方をするのがベターだと思いますか?

 

【問題1】タイミングについて
(A) 一次面接で、面接官である[人事担当者]に聞く
(B) 二次面接で、面接官である[配属先部門の管理職]に聞く
(C) 最終面接で、面接官である[決裁権のある役員クラス]に聞く

 

【問題2】言い方について
(A) 「入社したら給与はいくらもらえますか?」
(B) 「あくまで目安で結構ですが、現年収が○万円ですと、御社の場合ではどれくらいになるでしょうか?」
(C) 「あくまで目安で結構ですが、御社での年収のモデル例を教えていただけないでしょうか?」

 

【答え】 3つともおすすめできません

 

引っかけ問題のようで申し訳ありません。
【問題1】のほうから解説します。(A)は一次面接ですから、面接官は社会人としてのビジネススキルやマナー、企業カルチャーとの相性をチェックしています。その段階で給与や条件の話を切り出すのは早すぎます。(B)は即戦力になれるかどうかが主なチェックポイントです。管理職とはいえ現場は給与を決めているわけではありません。(C)は最終的な入社への熱意や覚悟をチェックしています。給与の話を持ち出すのは完全にマイナス評価になります。

 

【問題2】は、3つとも「給与」「年収」と言ってしまっています。どんなに言い方に気を配ろうと、質問の順番に気をつけようと、企業側からの評価が定まらないうちに、“もらえるもの”の話をすることにリスクが伴うからです。

 

よく聞くノウハウで、

 

面接官から「最後に何かご質問は?」と言われたら、3?4つめの質問として聞きましょう

 

というのがありますが、これも、万人にお勧めできるわけではありません。相当のリスクがあることを知っておきましょう。

 

内定の前に給与の話をするリスク

 

多くの場合、具体的な金額が提示されるのは、内定が出てからです。 内定前に尋ねても、「○歳なら○万円?○万円が目安ですが、現年収も考慮いたします」と曖昧な答えに終始するでしょう。企業の給与規定は機密情報です。内定前の応募者(社員でも何でもない人)にそうそう答えられません。

 

ですが、「この人を採用したい!他社に渡したくない!」と思えば、内定前でも企業のほうから「給与額は○万円で検討いただけますか?」「他社からは給与の提示はありましたか?」と打診してきます。内定が出ておらず、こうした打診もないということは、合格・不合格の微妙な線上にあるということです。そんな状況の中で、聞かれてもいない給与の話をし始めたら、「結局、仕事よりもお金のことを気にする人か。残念…」と思われてしまいます。自分からそんなリスクを抱えにいくことはありません。

 

給与を確認をしたい!良い印象を与える伝え方とは?

 

そうは言うものの、どこかの時点では給与額の検討が必要です。できれば早い段階で知っておきたいとしたら、どう切り出せばいいのでしょうか。印象のいい伝え方はこれです。

 

この後の選考ステップを教えていただけますか?
条件面のご提示はいつ頃と考えていればよいでしょうか?
露骨に「給与」と言わずに「条件面」と言い、「金額」ではなく「時期」を尋ねています。これくらいオブラートに包んだ言い方なら、「給与金額を知ろうとしている」ということを伝えつつ「聞きにくいことを大人のテクニックで聞いています」というアピールにもなり、人事担当者も答えやすいはずです。

 

伝えるタイミングとしては、二次面接(配属先の管理職が面接官)の後、最終面接(役員クラスが面接官)の日程調整をするあたりがベターです。この質問に対して「次回面接の際にご提示します」とか「内定が出るまでは具体的な条件はお出しできません」などと回答があれば、そこまで待つしかありません。

 

仮に給与金額が分かったとしても、内定が出なければその会社には入れません。給与金額を気にすぎていると、そのせいで内定を遠ざけてしまいます。提示があるまでいったん給与のことは忘れて、内定を勝ち取ることに集中し、内定が出て具体的な金額提示を受けてから改めて給与のことを考える。回り道のように見えて、実はそれが一番の近道かもしれないのです。