「転職理由は年収アップ」という人が抱える4つのリスクとは

面接の定番質問「転職理由は何ですか?」に、「年収アップすることです」と答えていませんか?思い当たる人は要注意。知らずにリスクを抱えているかもしれません。その4つの理由とは?

 

【理由1】 年収アップの根拠がないと、「現実感がない人」と思われるから

面接官は、年収アップ分の仕事の成果をどうやって出すのか、具体的に語れるかどうかを見ています。もし語れないとしたら、給与や年収だけでなく、会社のお金に対する現実感、相手を説得する論理性、自分の実力を把握する客観性に欠けるというマイナス評価が付いてしまいます。ある採用担当者は、「応募者の中には『100万円アップしたい』と豪語する人もいて驚きます。単価の安い商材を扱う当社で100万円の売上や利益を出すのにどれくらいの労力が必要か理解していないんでしょうね」と言います。

 

【理由2】 「自分のメリットしか考えない人」と思われるから

これも、年収アップの根拠が語れるかどうかによります。また、いつ言うかのタイミングの問題があります。「転職理由は何ですか?」は定番の質問なので、選考の早い段階で聞かれます。面接官にしてみると、この応募者が今までどんな成果を挙げてきたのか、仕事で何を大切にしているのか、周りの人にもポジティブな影響を与えられるか…こうしたことが判断できない段階で、「100万円アップしたいです!」と言われても困るのです。自分のメリットだけを語るのではなく、先に判断材料を見せてくれ、と思われるでしょう。

 

【理由3】 「またすぐに辞めるのでは?」と思われるから

年収アップだけが転職理由、仕事選びの判断軸なのだとしたら、「それなら別にウチの会社でなくてもいいわけだ。仮に入社しても、もっと年収が高い仕事があったら辞めてしまうかも」と思われてしまいます。年収アップの根拠や、入社後に実現したいことと併せて転職理由を語れればよいのですが。

 

【理由4】 「大人のコミュニケーションができないのでは?」と思われるから

上にあげた【理由1】?【理由3】のような印象を持たれてしまうと、派生的にコミュニケーションスキルまで懸念される可能性があります。お金の話はただでさえデリケートなものです。相手に理解してもらう材料もなく、いきなりお金の話をしだすのはビジネスパーソンとしてスマートとは言えません。入社後に顧客や取引先と商談する際にもこの調子なのかと不安要素を与えてしまうでしょう。

 

繰り返しになりますが、「転職理由が年収アップ」と言うこと自体が悪いのではなく、その根拠を語れないことや、年収にどんな価値観を投影しているかを語れないことがリスクになるのです。では、年収アップをかなえたい人はどう話せばよいのでしょうか?決まった正解があるわけではありません。年収は市場価値だと言えます。自分の市場価値を上げるために、もしくは入社後に期待通りの活躍をするために、どんなことを考えているかを整理しておきましょう。また、年収アップを入社時にかなえたいのか、将来的にかなえたいのかという時期の問題もあります。