応募できる求人がない…という悩みの裏にあるもの

初めて転職をしようとする人に見られる傾向があります。転職を考えて転職サイトに登録したものの、膨大な求人情報があるというのに、「応募できる求人がない…」と見ているだけになってしまうケースが少なくないのです。これはいったいなぜなのでしょう?

 

転職サイトで求人情報を検索しても、オファーを受け取っても、どの求人もピンとこなくてまだ1件も応募できていない、今日もまた求人を見ているだけで終わってしまった…。これは初めての転職の人に特に多く見られる傾向です。転職したい気持ちはあるのに応募する求人を選べない、そんなジレンマを抱える人の心の声を再現してみましょう。

 

「今の仕事には不満があるので転職したい」
      ↓
「でも、同じ仕事ならどこの会社も同じなのでは?」
      ↓
「不満を解消するには別の仕事に移るしかない」
      ↓
「とはいえ、いまさら未経験の自分が入れる会社があるのか!?」
      ↓
「求人情報には『未経験可』とは書いてあるけれど、どの程度のことか分からない…」
      ↓
「ああ、今日も応募先が見つからない…」

 

「どこの会社も同じ」 ということはない

 

前述の心の声で間違っている部分があり、それは、「でも、同じ仕事ならどこの会社も同じなのでは?(不満は解消されないのではないか?)」という点です。

 

「どこの会社も同じ」と言う人は、実は何社ものケースを見ているわけではないようです。同じ業界・同じ職種でも、企業規模、企業カルチャー、取引先の業界などが違えば、担当する業務範囲も仕事のレベルもがらりと変わることがあります。1回でも転職したことがある人なら、前の会社と転職した今の会社を比べて、「やる仕事自体は同じだけれど企業カルチャーは全然違う。効率重視だから雑務が少ない」などを肌感覚で理解できているはずです。

 

実例の一つとして、あるWebエンジニアが、「残業が多くて長く働けそうにない。事務職にキャリアチェンジしたいです。Webエンジニア以外の仕事を紹介してください」と言ってDODAに転職のご相談に来ました。しかし、今まで手掛けたシステムの実績や、どんな時に仕事のやりがいを感じるかという話をするうちに、本当はWebエンジニアの仕事が好きで、もっと頑張りたいと思っていることに本人が気づいたのです。もとよりキャリアアドバイザーは、Webエンジニアでも残業時間を抑えられる会社があることを知っていますので、希望にかなう求人をご紹介しました。このようなケースは多々あります。「どこの会社も同じ」と思い込んでやみくもなキャリアチェンジを考える前に、「今の職種のまま不満を解消できる会社はないか」と考えて転職活動の方針や進め方を見直してみましょう。

 

分からないことはその会社に聞けばいい、そのための面接

 

そうは言っても、「業種・職種を変えずに転職したとして、今の不満を解消できるのか?活躍できるのか?」とやはり悩んでしまうこともあるでしょう。求人情報から読み取りづらいこと、例えば、残業の多さに波があるのか、評価がプロセス重視か結果重視か、どんなタイプの人が実績をあげているか、などはキャリアアドバイザーが情報を持っていますし、キャリアアドバイザーを介さずに転職活動をする場合でも、面接の機会に納得いくまで聞いていいのです。不満を解消したうえでのびのびと活躍することが転職の目的なら、詳細が分からないから応募できない、ではなく、詳細を知るために応募して面接にこぎつける、と考え方をリセットすることが転職成功への近道です。